復活祈願!三田(さんだ)の風の塔
「風の塔」の言葉を耳目したのは、2004年の春だったと思う。それで、インターネットの検索で、確かに
設置された事実があるのを知った。
■ 1986年5月 兵庫県三田市 北摂ニュータウン 風力発電機「風の塔」(ダリウス型2Kw)設置
という情報が最初だったと思う。戦後の風車の本には、国内でも幾つか風車が設置されている記述があるが、
長く運用されている話は殆ど聞かない。20年も経った今、「風の塔」が現存しているかも疑わしい。三田市
の風力発電についての記事
■ 三田市ワシントン村風力発電計画
には、なぜか「風の塔」については書かれていない。そのために、すでに撤去されて存在しないのかもしれな
いとの気持ちにつながっていたのだろう。それで、しばらく探すことをしなかった。7月の終わり頃になり、
堺の風車の資料を調べる機会があった折に、「風の塔」を思い起こした。インターネットで調べてみると以前
には気づかなかった記事に存在を連想させられた。
■ ウッデイタウン中央公園「風の塔」
画像は、まさしく風力発電機「風の塔」ではあるが、説明文「12号墳近くには展望塔【風の塔】があり中央公園
のシンボルゾーンとなっていて、有馬富士・虚空蔵山・六甲の山並みや三田市外地の展望が360度楽しめます。
今のところ・三田で二番目に広い公園の中だが蜘蛛の巣突いてまで三角点にたち寄る奇特な人は殆んどいない
でしょう。」からは、風車を連想できません。北摂ニュータウンとウッデイタウン中央公園は同じものを指す
のだろうか?
それで、三田市、中央公園で、検索してみると、
■ さんだツーリズムガイド:三田市中央公園
にぶつかった。地図をクリックすると、中央公園の中に「風の塔」がある。念には念を入れてということで、
このページの管理をしている三田市・三田市観光協会に問合せのメールを出して確認してみた。
「お尋ねの「ダリウス風車」の件ですが、ウッディタウン中央公園は、三田市中央公園と同じです。(ウッディ
タウンにあります)市公園緑地課に聞きますと、「風の塔」の上にはダリウス風車が回っていますが、発電機
能は無くモニュメントだそうです。」
との確証を得た。話はややこしいが、北摂ニュータウン ---> ウッディタウン中央公園 ---> 三田市中央公園
と呼び方は異なったが同じ場所を意味している。三田市・三田市観光協会のアドバイスでは、JR「新三田駅」
下車、神姫バスで中央公園前が便利なようでしたが、あえて神戸電鉄公園都市線で行く方法を教えていただく
と、「南ウッディタウン駅」下車、徒歩ですが少々距離がありますとのことでした。
■ 中央公園
1日1700円ほど私鉄や市営地下鉄、市バスに乗れば元がとれるというもの。だからといって、1時間乗って
も1000円位だから、そう何時間も乗れるものではない。けれども、途中下車ができるのは大変に嬉しい。
仕事の関係で、三宮へ行く折があったので、仕事の前に「風の塔」を見物することにした。
三宮から、神戸市営地下鉄西神・山手線 で谷上へ、神鉄有馬線・三田行 で横山へ、神鉄公園都市線・ウッディ
タウン中央行 で南ウッディタウンへというコースをとりました。片道 1,060円 で、小一時間かかります。神鉄
有馬線は、通勤時間帯を過ぎているにもかかわらず、学生やお年寄りがけっこう乗車している。電車は、単線
複線が入り乱れた線路の緑豊かな山間を走りますが、駅周辺は妙に開けた歓楽街があり、少し変な車窓の風景
に驚かされます。神戸市と三田市という都市の特徴でしょうか。「南ウッディタウン駅」を下車して、徒歩は
10分以上かかります。夏の熱い日差しには、辛いものがあります。京阪神の都市圏に通う人達のベッドタウ
ンの典型的な高層住宅が幾つも並ぶ通りを進むと、中央公園前の交差点に出ます。
 |
中央公園前の交差点 <--- 公園は左側にあります! |
| 公園の正面から、「風の塔」が見えます。風車は回っていないので、一般の人
には、ダリウス風車を風車とは思わず、変わったオブジェに見えることでしょう。
公園管理事務所と棟を同じゅうして、横には【むかしといまの資料室】がありま
す。この横の道を上がるか、駐車場の横の広い自動車道路の歩道に沿って上
がります。前者は足場が悪いのとスズメバチの巣に注意する必要があります。
後者の方が安全でしょう。歩道を、数百mのぼるとバス停があり、その手前に
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階段があります。階段の上方には、「風の塔」が見えますから、す
ぐにわかります。初めて間近ににみる「風の塔」の立派さには驚か
されます。夏休みの午前11時前とは言え、子供、中学生などみか
けてもいいはずですが、人気はありません。
|
| 「風の塔」の入り口へは、いわゆる螺旋階段ではありませんが、緩やかに
カーブのある階段を上がります。緑の樹海をゆっくりと回りなが昇るのは
何か幻想的でもあります。熱い日差しの中では、うんざりしても不思議で
ないのに、何かワクワクする気持ちがこみ上げてきます。階段を上がりつ
めたところも入り口がありますが、その手前に門扉があります。そして、
その門扉の横に、インターフォンが取付けられています。
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 |
 |
インターフォンは、公園管理事務所につながって
いて、「塔の中を見学したいのですが」と伝える
と、「どうぞ」と返答があり、門扉のロックが解除
されて、先へ進むことができます。管理の都合
上ではあるが、監視カメラが正面に取り付けられ
ています。それを意識しながら展望室の入り口進み
ます。入り口には、展望室からの眺望を解説した
パネルが貼られています。入り口を前に振り返る
と見事な階段が見下ろせます。
|
そして、入り口を入ると目の前の機械室の扉に「風の塔」の文字が鮮やかに書かれています。機械室を覗けるか
と扉を開けようとしましたが、鍵がかかっていました。順路に従って左の階段を上がります。展望室は直径10
mほどの円形をしています。四方八方360度がぐるりと見渡せます。
展望室の中央には、屋上のダリウス風車の回転軸と機械室の発電機を結合する伝達軸を収納していると思われ
る太い柱が床から天井に伸びている。この柱の目の高さに「風の塔」の由来を示す表示板が貼ってあります。
| 『この塔は、ウッディタウンが親しまれ、この都市の象徴となるこ
とを願って建てられました。
デザインは、未来に舞い上がる飛龍をイメージしています。
名称の「風の塔」は、三田市立高平小学校五年生のみなさんがつけ
てくれました。』
風の塔 竣功 1987年3月
展望台の大きさ 高さ27.4m 延べ面積(階段を含む) 281u
風車の大きさ 5m x 5m ダリウス型 3枚翼
風車の作者 松本鐵太郎
|
 |
知合いが所蔵していた資料によりますと、このダリウス風力発電機は、
| 1. |
定格風速 |
12 m/s |
| 2. |
運用風速範囲 |
4 〜 12 m/s |
| 3. |
最大風速 |
60 m/s |
| 4. |
定格回転数 |
30 rpm |
| 5. |
回転速度範囲 |
80 〜 180 rpm |
| 6. |
最大回転数 |
200 rpm |
| 7. |
定格発電容量 |
2000 W |
| 8. |
定格電圧 |
24 V |
| 9. |
定格電流 |
90 A |
の性能があったらしい。前述の三田市ワシントン村風力発電計画には、
自然条件−風速
三田と近辺の気象庁観測所における年平均風速は次表のとおりである。
年平均風速(m/s)
| 三田 |
大阪 |
神戸 |
姫路 |
京都 |
豊岡 |
| 2.2 |
3.3 |
3.3 |
2.8 |
1.6 |
1.3 |
三田の月平均風速(m/s)
| 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年 |
| 2.1 |
2.3 |
2.5 |
2.5 |
2.3 |
2.2 |
2.2 |
2.3 |
2.1 |
1.8 |
1.8 |
1.8 |
2.2 |
三田の風速は、沿岸部の大阪、神戸、姫路よりは弱いが、内陸部の京都や豊岡よりは
強い。海岸からの距離が約 25km で、六甲山(標高930m)の陰という条件のわりには強
いほうと言えるだろう。
とある。弱い風も加えて、ダリウス風車は、起動性が悪いことで有名だから、実際に回っている風車を見た人
は、三田の住人でも、数が少ないと想像される。
殆ど人の出入りがないと思われる蒸し暑い展望台で、15分ほど眺望を楽しんだ後に、退室した。帰りがけに、
インターフォンで「機械室の発電機もみたいのですが」と問うと、「あそこは掃除道具しか入っていません。 発電機は撤去されています」との返事が返ってきました。
何故、こんなに立派な環境教育設備が、世に知られていないのだろうかという疑問に襲われます。三田市・三
田市観光協会の方でも、「風の塔」が風力発電設備であることを認識していなかったのではと想像されます。
市の関係者もあまり宣伝したくない理由があるのではないかと勘ぐってみました。これが当たったいるのかど
うかわかりませんが、「風の塔」の悪いニュースとして、
■ 兵庫県内のスポット
に、「風の塔」で、2件の飛び降り自殺があり、三田の霊スポットになっているらしいとの話が出ています。
仮に、この暗い話が影響して、「風の塔」が話題にならないのであれば、悪い噂を跳ね飛ばす新しい企画が望
まれます。環境教育設備として蘇らせて、いつも子供や中学生が見学にくる名所とするか、映画のワンシーン
に組み込んでもらって話題性を勝ち取り、若いアベックのデートスポットにしてもらうのはどうでしょう。
これからぼちぼちと、ない知恵絞って考えてみたいと思います。 このテーマにご興味のある方は、敬二板(おもろフォーラム)で議論を展開していただければと
思います。是非、是非、議論を盛り上げてください。
2006年9月
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